エミュレーション・モード
コンピューター分野の話だけれど、世の中にはネイティブ・モードとエミュレーション・モードがある。そのハードウェアの機能そのもので動作するのがネイティブ・モード。エミュレーターとよばれるソフトウェアを介して、本来は違うハードウェアなどで動作するものを無理矢理動かすのがエミュレーション・モード。たとえばPS3でPS1のソフトが動いたり、クラックしたiPhoneでファミコンのソフトが動いたりするのがエミュレーション・モード。
当然のことだけれど、エミュレーション・モードは動作が遅くなったり、バグが多かったりする。まあでも最近はCPUの性能が高いのでそれなりに動いてしまうけれど。
このエミュレーション・モードというのは、別にコンピューターに限ったことではないなあと思う。ビジネスでも、ライフスタイルでも、立ち振る舞いでも、エミュレーション・モードが存在する。
「真似る」ことと似ているようだけど、たぶん違う。「真似る」と「学ぶ」は語源が同じとよく言うように、真似ていると、学び、本物になりうる。だけど、エミュレーション・モードは、一生ネイティブ・モードになれない。そして必ず、どの側面でもエミュレーション・モードは動作が遅くなったり、バグが多くなる。
数年前、後輩が転職した。理由を聞いてみると、よく考えたらそれほど自社の商品や業界が好きというわけではなかった、といった。そして念願のアパレル業界にいって、第一線で活躍しているらしい。彼女は、うちの会社ではどこかしらエミュレーション・モードだったんだろうと思う。まあそれでも十分に優秀だったのだけれど。いまネイティブ・モードで働けているとしたら、素晴らしいことだと思う。
自分はどうだろうか、と考えてみる。幸いにして気持ちはネイティブ・モード。好きな業界で、好きな職種で働けているなぁと思う。幸せなことです。
だけど時々、悪魔のささやきや、大人の事情でエミュレーション・モードを起動しそうになる。こんなもんだろ、とか、あそこみたいなやりかたでできないか、とかとか。そんなので良いアウトプットが出せるわけがない。遅くなる。バグがでる。
今自分は、自分が働いている会社は、何かをエミュレーションしようとしていないか、ネイティブ・モードでパフォーマンスを発揮できているか、いつも問いながら動こうと思う。
一言でいうと、餅は餅屋。それだけです。長いよ。まったく。
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