art/design: January 2012アーカイブ
森美術館で開催されている「メタボリズムの未来都市展」をようやく観てきました。
かなり刺激を受けたので、たまには少し真面目に仕事にまつわる話でも書こうかな、と。
建築家たちが夢見た理想の都市像「メタボリズム」を振り返る、初の展覧会1960年代の日本に、未来の都市像を夢見て新しい思想を生み出した建築家たちがいました。丹下健三に強い影響を受けた、黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦といった建築家たちを中心に展開されたその建築運動の名称は「メタボリズム」。生物学用語で「新陳代謝」を意味します。それは、環境にすばやく適応する生き物のように次々と姿を変えながら増殖していく建築や都市のイメージでした。
展覧会の概要にもある「メタボリズム=新陳代謝」という言葉が示すとおり、
環境に適応するためために変化していくことを前提としたプランばかり
数多く展示されていました。
20世紀はコンクリートの時代だったと聞くとき、
重厚長大を是とした時代だったかのような印象を勝手に持っていたのですが、
前述のとおり決してそうではなく、更新可能で、
少しでも軽やかであろうとするプランが多く、それらを実現するためには、
当時としてはコンクリートが最新、最適な技術だったのだろうな、と認識を改めました。
まったく、自分の知識のなさが恥ずかしい。
そして、都市計画という行為に、僕はとても興味があることを再認識しました。
父親がゼネコンで都市計画に関わる仕事をしていたこともあり、
子どもの頃から、なにかとそういう話を聞いていたからかもしれません。
単純に造形として美しいから、というのも大きい。
また、都市計画という考え方が、今の僕の仕事にも参考になることも大発見でした。
都市を作るとは、すなわちプラットフォームをつくることなのだと気づきました。
人が集まり、コミュニティをつくり、そこで生活する。働く。楽しむ。
物理的な制約を考慮し、既存の文化を尊重しながら、そういう場をつくることです。
これは、ネットワーク上のプラットフォームのめざすところと、とても似ています。
先月ひょんなことから、とても有名なネットワークプラットフォームを築いた方と
お食事をする機会があって、彼は、そのプラットフォームを作る時に、
都市計画の手法を参考にしたとおっしゃっていました。
また、年末に放送されたカンブリア宮殿で、元ソニーCEOの出井さんが、
東京湾にエンターテインメントタウンとして第2東京をつくるべきだと
提案されていました。彼が都市の話をすることを興味深く感じました。
都市も、ネットワークプラットフォームも、多くの人が快適に感じ、
集まる場を作ることが目的なのですから、
自然と共通点も多くなるのだろうと思います。
長年、物理的なプラットフォームとして都市がつくられてきました。
近年は、たとえばDocomoや、Googleや、Facebookがネットワーク上に
プラットフォームをつくり、成功しました。
これからつくられるプラットフォームとは、どういうかたちをしているのだろう、
と最近よく考えます。
グローバル化とネットワーク化が前提となり、
中央集権的なものがどんどん衰退しているなかで、
新しいプラットフォームは、どういうかたちになるんだろう。
自分の仕事に近いところで考えると、
デバイスの進化とともに、どんどんインターフェースが身体に近くなって、
ネットワークインフラの進化によって、オンラインとオフラインの境界が曖昧になって、
その結果、物理的なプラットフォームである都市のつくりかたを、
より参考にするべきものになる気がしています。
たとえば、物理的な制約を考慮すること、既存の文化を尊重することが、
より大切になるように思います。
などといいつつ、
それが具体的にどのようなかたちのものなのか、いったい何を作ればよいのか、
まだよくわからないのですけど。